Orana in Residence
Updated: Mar 12, 2021
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数年前から私の陶器を購入してくれているシェフ、ジョック・ゾンフリロがアデレードで経営しているレストランOranaが1ヶ月間限定でシドニーにポップアップレストランを開くということで、行ってきました!
今までずっと私の陶器を購入する時はオンライン上でのやりとりだったので、一度も会ったこともなかったし、話したこともなかったので、アデレードに旅行することがあれば食べに行きたいなーと思っていたのですが、シドニーに来るということで、予約受付開始と同時に予約を入れました。当日息子はお友達の家で預かってもらいました。オーストラリアのレストランはキッズメニューがあるところも多いしファミリーフレンドリーなのですが、さすがに3ハットレストランは子供向けではないので。
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予約時間12時ちょうどに入店し、友達カップルもすぐ到着しました。ジョックはアボリジニーの支援活動もしているので、店内にはアボリジニーのアート作品が展示されていました。購入もできるようになっていたようです。天井からはドライフラワーが吊り下がり、ナチュラルモダンな椅子もテーブルも熟考して選ばれたと思います。客全員が問答無用の22コースの長丁場を経験するので、数時間座っていても快適でなければなりませんからね。ちなみに各テーブルの上にあるベル型のガラスの中には発酵中のパンが入っています。
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飲み物のオーダーを取ってもらってすぐに1品目がやってきました。それもシェフ、ジョック自らがサーブしてくれました。まさかこんなすぐにテーブルにやって来てくれると思っていなかったので、軽くパニック状態に。ジャガイモでできたパンのようなきりたんぽのようなものが木の枝に刺さっていて、炭の上で焼いてから食べるのですが、どうやって食べるのかシェフが説明してくれている間の私は全くの挙動不審者でした。説明後に自己紹介をして、握手しました。もーこの手は一生洗わない!と思ったけど、おしぼりであっという間に拭いてしまいました。
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甘エビのお刺身にクロコダイルのラードが粉末状でふりかかっています。甘エビがとろとろで美味しかったです。
毎回数コースずつ運ばれてきて、食べる順番や料理についての説明があるので、集中していないと何をどう食べていいのかわからなくなってしまいます。最初の数コースがやってくるのが早すぎて、飲み物はまだ来ていません。
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ブンヤというオーストラリアの常緑樹のナッツのクリームチーズとマスの魚卵をロングヤム(長芋?)で作ったクラッカーにのせて食べます。
このコースの前にカクテルがやってきました。
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アンガシオイスターとワカメです。
私の唯一食べられないものが牡蠣なんですけど、せっかくなので食べてみました。一口目は結構美味しいかも?と感じたのですが、噛めば噛むほど生臭さが増していき、無駄に大きなオイスターだったので、なかなか食べきらず、ワカメが更に魚介類の匂いを強調させて、地獄かと思いました。30年以上ぶりに食べた牡蠣でしたが、やっぱり嫌いでした。
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ユーカリのマルティーニを一気飲みして牡蠣を流し込みました。さっぱりしていて、助けられました。
優雅に食前酒として飲もうと思っていたのですが、牡蠣と一緒に来て良かったかもしれません。
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エミューの卵の茶碗蒸しにウニが乗っています。ウニ好きの私のお気に入りの一品でした。ジョックの元で働いているヘッドシェフがサーブしてくれたのですが、ウニや味噌やワカメは日本語を使っていました。トップシェフはみんな日本料理に影響を受けているのかもしれません。
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トロと和牛が刺さっているのは、お香立てでしょうか?食事を盛り付けるお皿がどれも個性的で、素敵でした。トロも和牛も両方とも美味しかったです。これも本日のベストスリーのうちの一品です。
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ヘコアユとグビンジというオーストラリアの植物です。グビンジには100g中2300-3150mgのビタミンCが 含まれるらしく、オレンジの100g中50mgに比べるとどれだけビタミンCが多く含まれているのかわかると思いますが、自然界に存在する物質の中で持っても多くビタミンCを含有するものの一つだそうです。ヘコアユはホタテのような食感でした。
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そして、遂に私の器の登場です!コーラルトラウト、ステムレタス、ニュージーランドスピナッチとユーカリの葉ということで緑がたくさん使われているお料理なので、緑の器と相性が良いですね。
興奮しすぎていつまでも眺めていたくてなかなか手が出せなかったのですが、他のみんなが全て食べ終わって次のコースに進みたそうだったので、文句を言われないうちにちゃちゃっと食べましたが、味はよくわかりませんでした。
ジョックがやってきてプロのフォトグラファーが撮った写真の中から私の器が写っているものをエアードロップで転送してくれました。この時ほどアイフォーンを使っていて良かったと切に思ったことはありません。
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カワハギの頬肉と羊の舌のサンドイッチ。いろいろな味がミックスされて、素材の味が消えていた気がします。長い葉っぱの形の木の器がおしゃれです。
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白い蕪のようなものがコールラビで、赤い果実がクワンダンです。クワンダンはアボリジニーの重要な食糧源だそうです。ちょっと酸っぱくて箸休めのお漬物のような感じでした。入店した時にテーブルの上で発酵していたパン生地が焼かれてタイムとマカダミアナッツのバターとともに出てきました。香ばしくて美味しかったです。
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カンガルー肉のたたきの下にパンダナス、ワトルシードで味付けされたポテトピュレが隠れています。カンガルーは牛肉によく似た味をしていて、オーストラリアのスーパーでも日常的に購入できます。安いので気軽にトライできますが、定期的に買って食べようと思わないのはやはりカンガルーの愛らしい顔が思い浮かぶからでしょうか。
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ウチワエビモドキに蟻がトッピングされています。
遭難して空腹だろうと昆虫だけは絶対に食べたくないと常々思っていたのですが、オーストラリアで一番に選ばれたレストランのコースメニューです。一生に一度の経験と思い食べました。食べる前に凝視してしまうと食べられなくなると思い、なるべく見ないようにして、エビにスパイスがかかっていると思うようにして食べました。もちろん味わう余裕はなく、とにかく噛んでワインで流し込んだので、本来ならライムのような酸味がするらしいのですが、ジェラルトンワックスのソースの味とウチワエビモドキのぷりぷりの食感の記憶しかありません。
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デザート前の締めの一品、ウズラは本日の私のお気に入りベストスリー入りする美味しさでした。
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木箱に入れられてスイーツが出てきました。お土産でもらう小分けのお菓子のような雰囲気です。
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Orana開店当初から出し続けているというデザート。パンナコッタのような味でした。
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そしてチョコレート。
お菓子の木箱かチョコレートの詰め合わせかどちらかにして、もう一品本格的なデザートがあったら良かったです。最後にチョコレート3つもいらないです。オーストラリア人は食後に甘い物をたくさん食べるのでしょうか?日本人の感覚ではフルーツとかアイスクリームとかさっぱりしたものが欲しくなるのですが。
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最後にエスプレッソマルティーニをいただきました。
4人でワイン4本とカクテルを1人2杯ずつで600ドル以上かかりました。それでもワインリストの中から安めのワインを選んだんですけどね。食事代は1人350ドルだったので、飲み物とトータルで1人500ドルくらいのお会計となりました。高かったけど、私はジョックに会えて直接話ができて満足だったし、22コースも一生に一度あるかないかの経験だと思うし、アデレードまで行くことを考えれば安いくらいかも?
12時に入店しましたが、お食事を終えて退店した時には5時を過ぎていました。最後に ジョックが出口まで見送ってくれて、チークキスしてくれた時には「もうこの頬洗わない!」と思ったのですが、帰宅してすぐにシャワーを浴びてしまいました。やっぱり。
2018年と2019年にはグッドフードガイドでオーストラリアのベストレストランに選ばれたり、次のシーズンのテレビシリーズ、マスターシェフのジャッジに就任することが決まったり、ここ数年間でどんどん活躍の場を広げているジョック。有名になってしまってもいつまでも私の作品を買い続けてもらいたいものです。
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